2022年5月10日、11日、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(略称:JILS)および一般社団法人日本物流資格士会が主催する「全日本物流改善事例大会2022」が開催されました。
両日にわたり、多数の応募事例の中から優秀事例として選考された19社(25事例)が物流改善事例の発表を行いました。当社では、川崎物流センターの「効率的な作業による体への負担軽減」の取り組みが選考され発表を行いましたので、概要をご紹介します。

■「効率的な作業による体への負担軽減」の発表概要
物流現場では、重たい商品を手作業で仕分けする倉庫作業があり、特に女性や高齢者にとっては肉体的に過酷な労働環境である。当センターでは女性従業員6名が倉庫作業に従事しており、労働環境を改善することで、高齢者や女性が活躍できる職場を目指した。改善の一環として、物流現場での作業による体への負担を軽減するため、作業動線を見直し、歩数を10%削減することを目標に掲げた。歩数の測定には万歩計を用い、以下4つの作業で改善の取り組みを行った。

①積み替え作業
トラックへ積み込みを行う際の荷作り(パレットへの商品の積み替え)時、商品が積載されたパレット8枚と空のパレット8枚を並べ、広範囲の中で積み替え作業を行っていた。改善後は、商品が積載されたパレットを2枚ずつ小出しにし、空のパレット2枚を並べることで作業エリアを狭め、移動距離を削減した。また、空のパレットは4段積みにし、高さを確保することで腰への負担を軽減した。

②荷揃えラベル貼付け作業
商品へのラベル貼付け作業では、ラベルが出力された順にランダムで貼付け作業を行っていたため、広い倉庫の中を往来することとなり、作業動線が伸びていた。改善後は、庫内のエリア別にラベルを仕分けてから作業を行うことで、移動距離を削減した。

③JIT品の仕分け作業
JIT品(※)入庫時の仕分け作業では、商品をランダムに並べて仕分け作業を行っていた。そのため、必要な商品を広範囲から探すといった非効率な動線であった。そこで、仕分け表に記載された商品の単位(梱・ケース)に着目した。改善後は、商品を並べる際に梱ものとケースものに分けることで、探す範囲を絞ることができた。また、重量の重い液体系の商品も列を分けて並べることで、動かす距離が短くなり、体の負担軽減に繋がった。
(※)入庫した商品を在庫として倉庫に保管せず、仕分けして出庫すること。

④入庫ラベル貼付け作業
入庫時の商品別に入庫ラベルを貼る作業において、従来は庫内の保管スペースを考慮し、商品を積載したパレットの間隔を狭く詰めて並べていたが、反対側にラベルを貼る際は、並べたパレットを大きく回り込む動線であった。改善後はパレットの間隔を広めに取ることで、動線を短縮した。

以上の取り組みにより、目標(10%)を大幅に上回る「作業歩数70%の削減」を実現した。

改善事例 改善前 改善後 削減率
①積み替え作業 1,100歩 484歩 △56%
②荷揃えラベル貼付け作業 7,452歩 1,446歩 △81%
③JIT品の仕分け作業 2,115歩 1,206歩 △43%
④入庫ラベル貼付け作業作業 1,445歩 477歩 △67%
12,112歩 3,613歩 △70%

 

当社は今後も様々な工夫を施し、作業の負担軽減、効率化に取り組んで参ります。

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事例発表の様子

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クリスタル贈呈